2011年11月1日
by yamamori
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いぶし竹の製作

早川山守会は、2009年度の事業計画の一つとして、2010年1月から2月にかけて炭焼き窯を製作しました。そして、現在、この窯にいぶし竹を製作するための木製の箱を取り付けています。 この箱の中に、燻したい竹を入れて、炭を焼くときの煙を導き「いぶし竹」を作ります。燻したい程度により、1日乃至3日間この中でいぶます。そうすると、表面が黒く色づいた竹ができます。このままだと煙の中にあったタールなどが付着していますので、これをストーブの熱や熱いお湯で溶かして布でふき取り、きれいに磨いてやると、黒光りしたうつくしい艶がでます。 但し、伐採して十分に乾燥できていない竹をいぶすと何日かして竹に亀裂が入って割れてしまうことがありますので、事前の乾燥(場合によると1年以上)が必要です。生竹をいぶすと水分が飛んで柔らかい部分は3分の2ぐらいに縮みますので節など硬い部分との間で、テンションが発生して割れてしまうのです。 それから、燻し方が不十分だと時間が経つにつれて、色があせてきますので、しばらくの間、経過観察をする必要があります。 また、竹の形をのこぎりなどで切って細工する時は、割れやすい形、すなわちテンションがかかりやすい形がありますから、このことも一応頭に入れていぶし竹細工を行います。竹は、孟宗竹、真竹、はちくなど用途に応じて利用します。

2011年10月31日
by yamamori
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間伐材を利用した農業用資材(粉炭)

早川山守会は、2011年度の事業計画の一つとして、間伐材を利用した農業用資材(粉炭)の製造事業を開始します。この事業は、緑の募金の運営機関である(公社)国土緑化推進機構の助成事業で、事業名は「早川流域水源林における間伐促進と間伐材の農業用資材(粉炭)としての活用」といいます。事業は2年間で行われ、初年度に230万円の助成金が入る予定です。同機構及び募金に協力していただいた日本紙業連合会に感謝申し上げます。 粉炭は、多孔質で1グラム当たり200~300㎥の表面積を持ちます。この表面に開いた孔は、有用微生物にすみかを提供し、有機物をエサに繁殖した微生物や炭の持つミネラル(カリウム、カルシウム、リン等)が、作物の生理を活性化し、植物を元気にします。また、土壌の保水性、通気性、保肥性を高め、根の機能を活発にします。 このため、有機物(落ち葉、稲わら、家畜ふん等)に1割程度の粉炭を混ぜたものを、例えば作物の根元に表土施用すると、農薬等をあまり使用しなくてもすむので、おいしくて安全な野菜等がうまく収穫できます。連作障害や酸性土壌のpH調整にも有効です。もちろん、植木鉢等で作る園芸にも利用できます。 本事業は、このように役立つ粉炭を間伐材から製造しようというものです。燃料に使用する木炭は、なら、樫等の硬い木を焼かなければ良いものができませんが、粉炭の場合は、多孔質にすればよいだけなので、針葉樹でも使えます。また、針葉樹を焼いて作った木炭は軟質のため、粉砕が容易であり、粉炭の製造に適しています。このようなことから、人工林の間伐材は粉炭の原料として適切に利用できます。 販売価格は、18リットル袋詰めで700円です。今年度は、試行期間なので約500袋製造予定です。事業がうまく回れば、将来は「木の駅」方式で、一般の方から用材に使えないいわゆる「c材」を購入することも目標にしています。そうすれば、山主さんが自分で持ち山の間伐をしてお金に換えることができるので、山林の間伐自体がもっと進むと思われます。 既に販売を開始していますので、ご関心ある方は 0556-48-2550(担当 小倉)までご連絡お願いします。                   「土づくりのお助けマン」農業・園芸用粉炭18リットル入り    

2011年10月31日
by yamamori
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黒炭技法による炭焼き

早川山守会は、間伐材を有効利用する方法の一つとして、毎年、9月から翌年4月にかけて、炭焼きを行っています。ここでは、山の石(粘板岩)と粘土を使って作った「伝統的炭焼き窯」(内容積2.5㎥)を用いています。最近の窯は、ほとんどが耐火れんがやキャスターを使って作られていますが、これに対し、粘土の窯は、温まりにくく冷めにくい特徴があり、じっくりとした炭焼きができ、良い炭が生産できるという利点があります。 我々が現在行っている炭焼きは、「黒炭」という技法で行うものです。これに対しいわゆる「白炭」という焼き方があって、こちらは途中までは「黒炭」と同じ方法で焼きますが、最後のいわゆる「窯止め」(空気を遮断して窯内で4日間ほどかけて徐々に炭化させる工程)の代わりに、逆に窯口を徐々にあけて空気を窯内に入れ、より高温で焼き上げたものを熱いまま取り出して、灰で冷やすという技法です。いわゆる「備長炭」で、固くて火持ちの良い炭になりますが、火付きはよくありません。 早川山守会の炭焼き窯は、1回の炭焼きで、約100kg~120kgの木炭が焼けます。同時に、「木酢液」が50リットルほど取れます。木酢液は、水で薄めて園芸や農業に使用します。50倍程度に薄めて、樹木等に塗布すれば防虫効果を示します。また、100倍以上に薄めて、作物等に散布すれば、作物が元気になります。木酢液には、樹木が作る貴重な有用成分がたくさん含まれていますので、微生物の繁殖に向いており、繁殖した微生物が植物細胞を活性化したり、病原菌の繁殖を抑えたりするといわれています。しかし、酸性が強いので、濃いままで使うと植物が枯れたりしますので注意も必要です。また、タール分が含まれていますので、3か月以上静置したものを濾過して使うことが必要です。もちろん蒸留すれば、タールは分離できますが同時に微量有用物質も除かれる可能性があるので、一長一短でしょう。 早川山守会では、自然木のみを焼いた煙を冷やして、良質の木酢液や竹酢液を製作しています。また、とうがらしとニンニクを加えて発酵させた「木酢パワー液」も商品として販売しています。 2リットル入りペットボトルが750円(市価)です。 早川山守会の炭焼き歴はさほど長くありませんので、炭焼き何十年という名人のような知識・経験は持ち合わせませんが、初期の頃、失敗を繰り返しながら学んだこともいろいろありますので、ご興味のある方のご参考として、黒炭焼きの工程について、以下に説明します。   工程1  まず、炭にする木を集めます。良い炭や木酢液を作るためには、伐採後あまり日にちが経たないうちに、木を窯に入る大きさに切り、太さも小口直径で8cm位にそろえることが望ましいです。使う木はいろいろですが、楢(なら)や樫(かし)などの硬い木が最高です。杉、ひのきなどの針葉樹は、柔らかい炭になり、火力も弱く、一般の木炭製造には適しませんが、農業用粉炭などとしては使用できます。 工程2  準備した木を窯に詰めます。まず、「しきぎ」と呼ばれる木を窯の底に一面に敷きます。我々は、竹を2段にして敷き詰めています。そして、しきぎの上に、炭にする木を垂直に立ててぎっしりと詰めていきます。最後に、窯の天井との隙間(20cm位空ける)に「あげき」と呼ばれる端切れの木をこれも出来るだけぎっしりと詰めます。理由は後で説明しますが、窯の中にできるだけ隙間が空かないように木をきちんと詰めることが極めて重要です。また、窯の入り口にある木は燃えて灰になりますので、炭にしたい良い木は窯の奥またはサイドに入れます。 工程3  窯の口を、レンガ等でふさぎます。但し、窯口の下部に小さな空気取り入れ口を開けておきます。また、火入れ後しばらくの間は、窯口の上部に燃料となる木を投入する窓を開けておきます。窯の入口には、40cm×40cm×60cm(高さ)のサイズの燃焼室(写真参照)がつけられており、ここに燃料となる木を入れて、火をつけます。5~6時間の間、どんどん燃料(木)を入れて火力をあげるとともに、火を窯の中に入れるよう、窯口から空気を送り込みます。 燃焼室の火は、まず「あげき」に移り、あげきから立てておいた木に移り、上部から下部へ徐々に焼けていきます。この時、隙間があると全体に均一に火がまわらないので、工程2の窯詰めが悪いと生焼けの炭が混ざったりします。また、底に近い部分は焼けるのが遅く、良い炭にならないため、「しきぎ」は製品にはしません。 工程4  火を入れてしばらくすると、煙突から勢いよく白い煙が出てきます。これは、木に含まれた水分が蒸気となって出てきているものです。生木の重量のうち半分ぐらいは水で、火入れ後丸一日ぐらいかけて、白い煙が出続けます。この間は、煙の温度も上がりません。途中で鎮火しないよう、燃料を入れ続けます。燃料投入口は、窯内に火が確実に入ったと思われるときに塞ぎますので、燃料は、窯口下部の空気取り入れ口から入れます。 工程5  白い煙の匂いが少しイガラクなってきたら、煙突出口の煙の温度の計測を始めます。ある時を境に、煙の温度が徐々に上昇し始めます。この時点で、木の中の水分がほぼなくなり、窯内の温度が上昇するため、セルロースが熱分解し、そして、更に温度が上がるとリグニンが熱分解します。これらの熱分解は発熱反応であるため、これまで窯内の熱源として必要であった少量の酸素も必要なくなるので、空気取り入れ口はほとんど閉めてしまいます。煙突口の大きさも絞ります。燃料(木)の投入ももう必要ありません。 工程6  温度上昇後20時間程度、煙突出口の温度計測を続けます。また、煙の状況(色とにおい)を注意深く観察します。煙突出口付近の煙の色が透明になり、煙突出口の煙の温度が180度程度(マッチ棒を入れたら20秒以内に発火する)になったら、「窯止め」の準備をします。まず、煙突口を全開にし、窯口の空気取り入れ口を徐々に開いて空気を入れます。2時間程度、この状態を維持し、窯内の温度を最高にあげて、窯内の不純ガスなどを燃やす「精錬」と呼ばれる工程を経たのち、窯口及び煙突口を完全に密封し、空気が一切外から入らないようにします。少しでも空気のもれがあると、何日かして窯を開けた時に全部灰になっていますので、慎重に行います。 工程7  4日ぐらいたって、窯を開けます。まだ、火種が残っている可能性がありますので、窯口を開けるときは、徐々に、そして注意深くする必要があります。黒炭焼きの場合、うまく炭焼きをしても、生焼きの部分、焼きすぎの部分が多少は混ざると思います。窯の仕組みから考えて、全体が均一に焼けることはありえないからです。それに、温度上昇するまでの間は、窯内の木を少しずつ燃やす熱で温度を維持する必要があるので、どうしても入り口付近の木は灰になります。したがって、窯出しの時は、炭の選別をしながら行います。通常、窯内に入れた木の2分の1~3分の2ぐらいの容積の木炭ができます。 (了)

2011年10月31日
by yamamori
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伝統的炭焼き窯の製作

山の石と粘土を使った伝統的炭焼き窯の製作   早川山守会は、2009年度の事業計画の一つとして、2010年1月から2月にかけて炭焼き窯を製作しました。間伐した竹や雑木を利活用するための一つの有効なツールとして、現在も活用しています。 この窯は、早川集落の奥にあるシッコ山でとれた粘土と山の石(粘板岩)を使った伝統的方法で作られました。最近の炭焼き釜は、耐火セメントやキャスター(アルミナ)で作られるものがほとんどですが、早川山守会では、あえて伝統的方法を選択しました。粘土でつくられた窯は、温まりにくく、冷めにくい性質を持っていますので、よい炭が焼けます。 この窯は、上から見ると奥のほうが広がった楕円形をしていて、最も幅の広いところで1.6mで、奥行が1.7m、そして高さが0.7~1.2mです。内容積は約2.5立米あります。釜口には、幅60cm、高さ70cm、奥行60cmの燃焼室がつけられています。傾斜地を掘ってつくられました。 この窯において、1回の炭焼き(黒炭)により、100kg乃至120kgの炭が焼けます。また、出てくる煙を冷やして採取する「木酢液」は、1回当たり40乃至50リットルとれています。木の種類や乾き具合などによってその都度必要な時間数は変わりますが、火入れをしてから約3日間燃え続け、その後、いわゆる「窯止め」をしてから4日間空気を遮断して炭化を促進して、その後やっと炭として取り出すことが出来ます。よい炭を焼くには、窯止めのタイミングを逃してはなりません。窯の中は見えないので、煙突の直上の煙の色、温度、及び匂いで判断します。   以下に、炭焼き窯を製作した工程を紹介いたします。 工程1 窯底を掘り下げます。窯の仕上がりの大きさよりも30cmほど広く掘りました。掘り下げる奥中央に排煙口を定めます。排水溝の工事として、窯底中央に深さ20~30cmの溝を掘り、石、レンガ破片などを敷き詰めました。 工程2 次に、窯壁をつくりました。内側と外側に石で土留めをつくり、その中に粘土を入れてつき固めました。壁がある程度の高さになったら、内側の土留め石を必要に応じて取り払い、窯壁の表面が滑らかになるよう板や木槌で打ち固めました。理想的には20cm程度の厚さの粘土の壁が必要ですが、粘土を山から運搬する労力を少なくするため、粘土の壁にはところどころに粘板岩を入れ込んでつくりました。今回は約1tの粘土を運びましたが、それでも大変でした。乾燥すると粘土にひびが生じますので、ひびの部分には再度上から水で溶いた粘土を塗りつけて補修しました。また、ひびの発生を少なくするため、短く切ったわらを混ぜるのは有効でした。 工程3 次に窯の天井をつくりました。天井についても、昔の人は、石と粘土で作っていたそうですが、落下のおそれがあるので、今回は、型枠を組んだ後、中に鉄筋の骨組みを作り、最後にキャスターを流し込みました。 工程4 燃焼室と釜口を耐火煉瓦などでつくりました。最後に、雨よけの屋根と木酢液を採取するための煙突を太い竹をつかって設置しました。木酢液は強酸性ですので、鉄などは腐食されます。ステンレスは大丈夫ですが、窯の材料として金属を用いないこと及び窯の中に針金などの金属類を入れないことは、不純物を含まない良質の木酢液をつくる上で重要なことです。 早川山守会では、本炭焼き窯を使って、毎年9月から4月の秋・冬場にかけて、黒炭の技法で炭焼きを行っています。炭焼き体験などにご興味のある方は事務局(電話0556-48-2550 メールshinichiro.ogura@nifty.com )までご連絡ください。 早川集落のご先祖は、700年ぐらい前、近隣のシッコ山(標高900m)に集落を築いていたそうです。先日、山の中で炭焼き窯の跡を見つけました。昔の人達は、石と粘土でアーチ型の天井を作ったそうです。すばらしい技術ですね。 なお、窯の天井を作る時、型枠内に鉄筋を組んだ上でキャスターを流し込んで施工しましたが、鉄筋とキャスターの熱膨張率が違うので、「白炭」を焼く(窯内1000度C以上になります)場合に割れが生じたりすることがあります。今度作る時には鉄筋は入れないで施工しようと思っています。