2011年12月9日
by yamamori
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メディア紹介

< 2012年1月31日付 山梨日日新聞 記事 > タイトル: 「山梨の森は今」 第2部 里山の苦悩 「土地所有者が分からないので、間伐計画を立てることができない。これでは間伐事業が成り立たなくなるケースも考えられる」-。早川町森林組合の京島孝佳さん(41)は今、危機感を募らせている。 「地図と照らし合わせても土地がなかなか合致しない。確認作業には苦労してます」。同町で間伐に取り組むNPO法人「早川山守会」事務局の小倉伸一郎さん(61)の悩みも深い。  山の土地の所有者が分からず、境界線も分からない・・・。そんな事例が県内の森で増えている。町面積の96%を森林が占める早川町。林を維持するために必要な間伐には1ヘクタールで15乃至60万円が掛かるという。しかし、林業の衰退で、山に投資するメリットは薄れ、次第に手が入らない森林が増えた。過疎化が進み、山を残したまま移住する人も増えた。  農林業センサスによると、所有者がその地域に住んでいない「不在地主」が所有する県内の森林は、2000年が3万1184ヘクタール。05年には3万1358ヘクタールとなり、174ヘクタール増えた。いったん、山とのつながりが途絶えて時間がたつと、所有者が今どこにいるのか、誰が所有者なのかも分からなくなるケースがある。その結果、山は放置され、荒廃林が増える悪循環となる。  早川町は、森林の荒廃を食い止めようと、所有者に代わって、間伐に当たる事業に取り組んでいる。森林所有者、町森林組合が協定を結び、町が組合に作業を委託する仕組みだ。間伐に掛かる費用は町が全額負担する。2010年度は同町湯島地内の森林5.3ヘクタールを間伐。11年度も約5ヘクタールの間伐を予定している。  だが、所有者不明の森林の多さが作業のネックとなっている。所有者の許可を得て、土地の範囲が確定されなければ作業には入れないが、調べても所有者が分からないケースが出てきた。このため、所有者が分かり、境界線が比較的明確な場所で間伐作業を行わざるを得なかった。そのため作業場所は「飛び地」となり、効率は悪くなった。  所有者が分かっていても「小規模地主が多く、1ヘクタールの土地が何人もの地主で構成されているケースが多い」と京島さん。湯島の5.3ヘクタールの森林も30人ほどの所有者がいる。森の中での境界線の確認作業は手間もかかる。  町の間伐代行事業は「100年の森づくり計画」と名付けられている。町振興課は「木材の流通経路を確保できるのが一番」としながらも、「今は森林整備を進め、次世代にどれだけよい山を残してあげられるかが大切」と、間伐代行の作業を進める。  山守会の小倉さんも、山が以前のような「資産ではなくなっている」ことを嘆く。「山で仕事をしたい人と、山を整備してほしい人とのマッチングの機会を増やすことも必要だと思う」。山を再び地域の資産とするために・・・。その思いを胸に間伐作業に当たっている。   < 2012年1月付 早川町広報誌 No.567 記事 > 辻一幸早川町長の年頭あいさつ「早川新時代をめざして」 町民の皆さんには、希望の新年を迎えられたことと存じます。(中略) 大震災における原子力発電所の事故は、大変な事態となっています。早期の収束を図ることが国と東京電力の責任でありますが、原子力発電優先で、経済第一主義に走り続けた国の構造は、国土に過疎、過密を生み、私たちの町も今日に至ったといえます。 こうした中でも、早川町はいつも活力のある町への努力を続けています。それは、誰もがふるさと早川に対する思いと、誰もがこの町をみんなで守り抜くという強い思いがあるからです。このたびの災害への対応や東日本大震災への町民の思いやりを見ても、そのことを強く感じます。 昨年も、上流研の活発な活動、NPO早川山守会の台頭や、トラねこ市の開催、「ココロト」での町民の文化展開催等々、これまでの旧村一拠点づくりの上に、さらに新しい息吹が芽生えだしました。(中略) 変化が到来している今日、私たちは自らが変わり、また自らが強い決意でこれからを変えていかなくてはならないと思います。 足元の暮らしをもう一度考えてみよう。そして自分たちの地域のよさや価値を再認識してみよう。自然と共生していく暮らしや、その中で本当の豊かさや生き方を見つけ出す努力を自らがしていこうではありませんか。   < 2011年12月9日付 山梨日日新聞 記事 > 早川町早川のNPO法人早川山守会(早川一誠理事長)は、山林の間伐作業や遊休農地の解消に取り組んでいる。早川集落の山で間伐したヒノキなどを、自作の炭焼き窯で焼く。農業用の粉炭として販売して収益を挙げ、将来的には雇用確保と定住促進につなげたい考えだ。同NPOには、地元住民や県外からのボランティア約20人が参加。今年5月にNPOに移行し、これまでに竹林の間伐や遊休農地での大豆、米の栽培を進めてきた。 7月には、公益社団法人国土緑化推進機構の「緑の募金公募事業」に応募。活動内容が認められ、2年間で約430万円の助成を受け、同集落の奥峰と呼ばれる山で間伐作業に取り組んでいる。奥峰は約8割がヒノキや杉の人工林。2011年は1ヘクタール、12年には3ヘクタールを間伐する。また、2年間で竹林や里山4ヘクタールを間伐する計画。切り倒した木は、自作の炭焼き窯で粉炭に加工。粉炭は「針葉樹林の炭は柔らかく粉にしやすく、ミネラルを豊富に含む」(同NPO)として、農業用の肥料として販売する。 このほかにも、早川集落で遊休地となっていた田畑約5千平方メートルを地主から借り受け、米や大豆、そばを栽培。収穫した作物は2割を地主に還元するほか、メンバーの実労働時間に合わせて分配したり、販売するなどしている。今後は、間伐材を炭以外にどう活用するかや、粉炭販売による収益確保が課題。収入を安定させ、雇用確保と定住促進につなげていきたい考え。早川正治理事は「間伐作業を軌道に乗せ、一つの事業として成り立たせたい」と話している。